英国ジュエリー《momocreatura》のホールマークを例に、刻印されているそれぞれのマークの意味について解説します。
また、2022年限定のプラチナ・ジュビリーマークや、《momocreatura》でのオーダー方法についてもご案内するので、ぜひご覧ください。
イギリスのホールマークの「今」を知りたい方、必見です。
1.ホールマークって何?
「ホールマーク」とは、金・銀・プラチナなどの貴金属で作られた製品の素材や純度などを証明する刻印のことです。
各国の造幣局など信用が置ける機関が貴金属の素材や純度を検査し、その品質の証明として貴金属製品の裏側や側面に、小さなアルファベットや数字を打刻します。
その刻印を見れば、その製品が信用できる機関で品質検査を受けたものだということがわかり、マークの内容から製品の素材や純度を判別できるというものです。
1.1 国によって違う、ホールマーク
ホールマークは、国によって打刻する基準や内容が異なります。
一定量以上の貴金属製品に対して、ホールマークの打刻が法律で定められている国もあれば、そうでない国もあります。
例えば日本では、ホールマークはあくまでも任意の制度として運用されています。金属の純度を示す品位表示が製造者によって、検査機関である造幣局の検査を通さずに刻印されているケースがほとんどです。
1.2 イギリスのホールマークの歴史
一方イギリスでは、ホールマークは古くから厳密に運用されてきました。
イギリスのホールマークの歴史は長く、1300年代にロンドンの「Goldsmiths’ Hall」で貴金属を検査し、純度を証明する刻印していたことから「ホールマーク」という言葉が生まれたと言われています。
イギリスのホールマークは、貴金属の素材や純度だけでなく、検査された年代や場所、製造元まで細かく分類されています。
そして今でも規定量以上の全ての貴金属製品に対して、ホールマークの打刻が法律で定められているため、世界各国の中でも信用度が高いものです。
2.ホールマークの読み解き方
ホールマークには、そのジュエリーの品質や歴史を紐解く“鍵”が刻印されています。
実際に刻まれているホールマークひとつひとつの意味を知り、ジュエリーへの理解を深めていきましょう。
2.1 イギリスのホールマークを見てみよう
Image © momocreatura
それでは続いて、《momocreatura》のホールマークを参考に、イギリスのホールマークについて解説します。
これらのホールマークは現在流通しているジュエリーに刻印されているものなので、ホールマークの「今」を知ることができるでしょう。
2.2 スポンサーマーク(メーカー)
スポンサーマークは、アルファベット2~4字と図形を組み合わせたマークです。
先ほどご紹介したとおり、イギリスでは規定量以上の貴金属製品を流通させるブランドや製造者は、ホールマークを刻印しなければなりません。
そのためイギリス中のジュエリーブランドや製造者は、スポンサーマークをアセイオフィスに申請し、独自のマークを登録しています。
このアルファベットと図形の組み合わせが、一つひとつのブランドや製造者に割り当てられているため、マークを見れば誰が作ったジュエリーか判別できるという仕組みです。
2.3 メタルファインネス・マーク(素材・純度)
メタルファインネス・マークは、そのジュエリーが何の金属で製造されているかを詳細に知ることができるマークです。素材とその純度を示す、2つのシンボルによって構成されています。
・Traditional Fineness Symbol
トラディショナル・ファインネス・シンボルは、ジュエリーが下記5つのうち、どの金属で作られているものかを示します。アンティークの世界では「スタンダードマーク」と呼ばれることもあります。
1スターリングシルバー
2ブリタニアシルバー
3金
4パラジウム
5プラチナ
このマークを読み解くと、先ほどの写真のリングに刻印されているライオンの全体像は、「スターリングシルバー製」であることがわかるでしょう。
・Millesimal Fineness Mark
ミレシマル・ファインネス・マークは金属の純度を示すものです。
この表示は1999年に義務化されたもので、貴金属の含有量を千分の一の単位で表しています。貴金属の最低基準を示すもので、全体の品質が表示された純度を下回らないことを保証しているマークです。
2.4 アセイオフィス・マーク (検査場所)
アセイオフィス・マークは、ジュエリーが検査された場所を示すマークです。
現在英国には、ロンドン、バーミンガム、シェフィールド、エディンバラの4カ所にジュエリーを検査する「アセイオフィス」があります。
このマークを読み解くことで、そのジュエリーがどこのオフィスで検査を受けたのを判別できます。
Image © British Hallmarking Council
《momocreatura》のジュエリーに刻印されているライオンの刻印を見れば、ロンドンで検査を受けていることがわかるでしょう。
2.5 デイト・レター(年代)
デイトレターは、そのジュエリーが製造された年を示すマークです。
デイト・レターは毎年変更され、フォントなどの形状がすべて変わるため、それぞれが特定の1年だけを示しています。
例えば2015年は“q”、2024年は“z”というように、各年のマークは決まっています。
2015年〜2024年を並べると下記の通りです。
《momocreatura》写真のリングに刻印されている「x」は2022年を示します。来年2023年には、この部分が「y」になるという仕組みです。
2.6 記念マーク
イギリスのホールマークには、特別な年にだけ刻印できる「記念マーク」があります。
これまで1935年のエリザベス女王の戴冠式、1977年の「シルバー・ジュビリー」など王室関係のイベントを記念したものや、2000年には「ミレニアム・マーク」が発行されてきました。
この記念マークは、通常のホールマークに足されて刻印されます。デイトレターの隣にその年だけ限定で刻印されるマークとして、希少価値が高いものです。
3.momocreaturaのホールマーク
《momocreatura》ではイギリスのホールマーク制度を遵守し、規定の重さ以上のジュエリーには全て、アセイオフィスのホールマークが刻印されています。
規定量を下回るジュエリーには下記のような素材や純度を示す純度の彫刻、 もしくは刻印が入っています。
・シルバーは925
・9金は 375 もしくは9k
・14金は585 もしくは14k
・18金は750 もしくは18k
*ホールマークを義務ずけられている重さ シルバー7.78g以上、金1.0g以上、プラチナ0.5g以上
3.1 ホールマーク追加の刻印サービス
また《momocreatura》では、ホールマーク規程外のジュエリーにも、追加で刻印をオーダーできるサービスもあります。
ジュエリーにホールマークを入れると、その年や場所を刻む意味が込められ、より特別感をアップさせるオプションとしておすすめです。
追加の刻印サービスは、ジュエリーの価格によって下記のように変動します。
・£175 以上:無料
・£175 〜£100:£20
・£100以下:£25
※追加の刻印サービスはmomocreatura.com からのオーダーのみ適用となりますのでご注意ください。
3.2 2022年はプラチナ・ジュビリーマークが!
2022年は「プラチナ・ジュビリー」を記念して、今年限定の特別なマークを刻印してみませんか?
今年は、英国君主エリザベス女王の即位70周年を記念する「プラチナ・ジュビリー」の年です。
イギリスのアセイオフィスでは、このプラチナ・ジュビリーを祝して、今年限りの特別な記念マークを発行しています。
《momocreatura》では、プラチナ・ジュビリーマークをご希望の方は、200ポンド以上の商品には無料、200ポンド以下の商品には少額の手数料で刻印が可能です。
プラチナ・ジュビリーの記念マークは2022年末までのオーダーのみ適用となります。
ジュビリーマークの刻印を希望する方は、info@momocreatura.com までお問い合わせ下さい。
* エリザベス女王の崩御により、アセイオフィスによるプラチナムジュ
まとめ
イギリスのホールマークには、そのジュエリーの素材や純度、検査場所や年代、そして製造者などたくさんの情報が詰め込まれています。
ホールマークについて知ると、よりジュエリーを楽しめるようになるでしょう。今回ご紹介した内容を参考に、ジュエリーに刻まれた意味を読み解いてみてくださいね。
また《momocreatura》では、ホールマークを活かしたオーダーメードのジュエリー制作も承っています。
ホールマークを活かしたアイディアがあれば、ぜひこちらのフォームもしくはメールにて info@momocreatura.com ご相談ください。